2018年1月22日

評価用49ccエンジン組立。草刈5号に取付→5分も持たず破壊

 はんだ付けで修理したクランクケースを使って、エンジンを1個、組みます。
分解したままだと、ホコリだらけになったり、サビたり、なくなったり
ロクな事がありませんので急いでやります。

主に、あんまり良くないパーツを使用して、
次にどこが壊れるか、評価用のエンジンとします。

外れた中華ベアリングを回してみたら、コツコツと引っかかりが。
これはいくらなんでもダメなので、交換します。

ベアリングはNSK6202、シールはNOK製のTC15257。
せっかくなので、由緒正しき日本製のを用意しました。
一個199円と369円でした。(モノタロウ)意外と、シールのほうが高い。




ベアリングは箱ごと冷凍庫で冷やしておきます。

クランクケースは、カワラの上でトーチで加熱して、
せっかくだからハンダ付けのおかしかったところを直しました。

熱いうちにベアリングをハメます。
そっとあてがっただけで、自重でスコンと入りました。



 オイルシールは常温になるまで待ってから、
何も特別な道具はいりません。
指で押すだけで入ります。

クランクシャフトは、中華スペシャルのフル・サークルクランクを使用。
新品なのに、連接棒大端ベアリングが、斜め方向に少しガタがあるのが気になりますが、このまま使います。

これも、事前に冷凍庫で冷やしておきますと、
指で押すだけでスポンとはまります。

クランクケースの合わせ面をよく掃除して、
パッキンを挟み込んでクラッチ側のクランクケースをかぶせて、ボルトで固定。
クラッチ側のクランクベアリングとシールは、
元の中華品に異常が見られないのでそのまま使用しました。



 ネジは再利用なので、借り物のダイスを通しておきます。

締め込むときには、クランクの回転を確認しながら少しずつ。
異常があれば、もう一度緩めてやり直したほうがいい。


φ44のピストン&リングおよびφ12のピンは仕方ないので新品を使用します。
ピストンピンベアリングは中華品ですが新品で、感触は悪くないです。


サークリップですが、「の」の字タイプのは、使用中にエンジン内で
折れるので使用しません(折れました)

忘れないように記録しておきますが、
「の」の字の真ん中の棒のところを
ピストンピンの側面で叩き切ってしまうので、
破片がシリンダーに挟まり、再起不能となります。

代わりに、拡張タイプのCリングを入れときましょう。サイズは12。
これも中国製かもしれませんが、
日本の店で買いました。(モノタロウ)



ファンプーリーは、壊れた49ccについてたやつ。
半月キーを忘れないように注意。
コイルも壊れた49ccに付いてたやつ。
プーリーとコイルの相性があるとにらんでますので、
実際に動いていた組み合わせでやるのがいいと思いました。

リコイルは中華アルミスターターを使用。これが後で大変なことになりました。

シリンダーは、最初に中華49ccに付いてきた、フィンのデカいタイプ。
シリンダー取り付けネジを締める時は、
リコイルを引いてピストンを上下させ、シリンダーのセンターを出しながら少しずつ。

キャブは、ヤフオク調達品NB411用を使います。
中華49ccが壊れるまで、5号についていたやつ。
マフラーは中華通販900円の。


 最初、草刈5号49ccを始動したときにキンキン音がしてたのは、
左の、スターター用のワンのスペーサー代わりに付けられていたナットとワッシャーのサイズが合っていなくて、ワンの取付けがグラグラだったためだと解りましたので、
右の溶接してあるタイプを使用します。


この、クランクシャフトのネジ穴が新品なのにネジの精度がよろしく無くて、
借り物のタップを通そうとしたのですが、
材質が硬いので食い込んで進まず、
折れたら嫌なので諦めて、いろいろなM6ネジを用意して、
なんとか固定できる一本のネジを探し当て、
それでファンプーリーとワンを固定しました。(それが失敗の始まりでした)


それにしても、この中華エンジンのネジはほとんどがダメなので、
タップとダイスを駆使して、修正しながら組み立てる必要があります。


 ともあれ、完成しました。

タンクは新品を調達しました。アリで900円。
新品ですが、中はゴミだらけなので清掃が必要。中華品の常識。

プラグも中華品ですが、新品を使用。これが使えるかは運次第です。

冷却能力についても評価したく、シリンダーカバーは付けませんので、
マフラーカバーも無しです。

この、半裸のエンジンも見慣れるとかっこよく見えてくるから不思議です。
草刈機のネイキッドモデルと言うところでしょうか。


こうなると、即運転したくなるのは世の常。
草刈5号機の純正エンジンを撤去して、49ccを取付け。


カッコイイです!自画自賛。

リコイルを引くとすぐに始動しました。

軽く周辺を草刈してたら、
5分もしないうちにエンジンからガシャガシャ異音がして
停止しました・・・・


すぐにシリンダーを空けてピストンの様子を確認・・・異常ありません。


でも、リコイルを外すときに
こんなアルミの破片がポロポロ出てきましたよ。
これは尋常ではありません・・・


冷却ファンのハネが破損してます。・・・何が当たったのでしょうか。

いつも取外しに苦労するファンプーリですが
センターのM6ボルトを外したらコロンと取れました。


内側のボスのところがかけています。


クランクシャフトの半月キーが入るスロットが変形しています。


犯人はこいつです。

リコイルの引っかかるワンのセンターの溶接が外れて、
取付けが緩んだので、ファンプーリーの軸が遊んだということです。


これくらいのことではメゲません。

半月キーのスロットの溝の周囲に飛び出たバリを100均のリューターで均しました。

それで、余ってる41ccエンジンから取り外した、ロビン純正の由緒正しいファンプーリーを取付けるのに、
クランクシャフトセンターのネジ山が悪かったことをすっかり忘れていて・・・


M6ボルトが折れました。



今度は、テーパーがしっかり噛み付いてるので、ファンプーリーが外れません。

クランクシャフト中心に折れボルトが入り込んでるので、
借り物の3点プーラーは心棒の径がプーリーの穴より大きいため使えず、

木のプーラーは着底してしまい、外せません。


最終手段の、M6ボルトでクランクケースを突っ張って押上、やっと外せました。
ボルトの先端が当たる、ベアリングケースのところに傷が入りますが、仕方ありません。
一応、気を遣って、クランクケースの補強リブがあるところを突っ張りました。


クランクシャフト中心に残ったボルトを、オートポンチで回して見ようとしましたが、
本格的に焼き付いてるみたいで廻りません。

コレがクランクシャフトから出た位置で折れたのなら、
ガスで焼いてみたり、ナットを溶接したりの小技を知ってるのですが、
なにしろ、穴の中の方で折れたものですから
使える手は限られています。

・・なら、掘りましょう。

ドリルの刃はこんなにたくさんあるのに、刃がすべてナマクラになっているのか、
それとも、ボルトが硬いタイプなのか、
ボルトの芯に穴を開けることが出来ず、今日はおしまい。


エンジンをわざと壊して、どこを改善すべきか探るのが目的の評価用49ccエンジンですが、期待通りにあちこち壊れてくれますよ。


草刈機5号の目次はこちら  田舎の日常と現実HOMEへいく

2 件のコメント:

  1. マジですか、何と色々な事が起こって楽しそうですね。
    この手のスターターは嫌いなので当方使いませんが行けてませんね。
    このネジはカジリ付きならナットと半自動しか直せないかもです。

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    1. なんか、極端にトラブル発生率が高い気がするんですが、楽しいっちゃ楽しいです。
      遅かったですが、ワタシもこの中華スターターは嫌いになりました。

      クランクシャフトは、なんとかネジを抜きたいところですが、折れ点が少し引っ込んだ所なので半自動は私の視力と溶接テクニックでは危険です。
      最低でもクランクシャフトの前後を替えないと使えないと思いますので、とりあえず分解したいと思います・・・

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